大腿部の痛み

大腿部の筋肉は大きく分けると前面、後面、内側部、外側部に分けられます。更に上部、中部、下部、浅い層と深い層等細かく分けることができます。それぞれの部位で様々な症状が起きますが、たいていは筋肉や腱の損傷、打撲、神経痛、トリガーポイント、スパズム(筋痙攣)などが原因となります。
大腿部の痛み(前面)
まずは大腿部前面の痛みついて、どのようなものがあるかをみていきましょう。
大腿四頭筋肉離れ
大腿部前面にある大きな筋肉が断裂するケガです。大腿四頭筋に強いストレスがかかり、筋肉が損傷します。微細な損傷から完全断裂まで1~3度の重症度に分類されます。
肉離れの場合は筋肉が断裂しているため運動はすぐに中止し安静にしましょう。
1度であれば保存療法(安静・固定)で回復は可能です。3度は完全断裂なので手術が必要です。
2度に関しては損傷度によりますが、ひどい場合は手術になります。
大腿部前面打撲
大腿部前面に何かがぶつかり大腿部前面を損傷します。サッカーなどで言う【ももかん】やラグビーのタックル、格闘技でキックされた場合などに損傷することがあります。
大腿部が腫れあがり膝が曲がらなくなります。90度以上曲がらないのであれば整形外科を受診して溜まった血を抜いてもらうと良いでしょう。腫れが強いと大腿部の血管や神経を圧迫する可能性があります。軽度なものは問題ないですが痛みが強い場合、膝が曲がらない場合は安静にしましょう。
時間が経つごとに腫れが強くなり悪化する傾向があります。
大腿直筋腱損傷
大腿四頭筋の中でも最も長く骨盤から膝下まである筋肉の腱の損傷です。強く伸ばされたり、サッカーなどのキック動作で炎症を起こします。脚のつけ根の前面に痛みがあります。比較的強い件なので損傷自体は少ないと思います。多少の炎症は起こりますが、断裂までは至らないことが多いでしょう。
断裂した場合はもも上げができなくなるはずです。
大腿四頭筋のスパズム(筋痙攣)
大腿四頭筋は4つのに分かれていますがそれぞれが筋痙攣を起こすことがあります。特に多いのは大腿直筋ですが大腿前面の筋肉が盛り上がり痛みを感じます。ひどい場合は膝が曲げにくくなります。サッカーや陸上競技の選手に多い症状です。
神経興奮のエラーでずっと収縮が続きます。回復に時間がかかることが多いです。
大腿四頭筋のトリガーポイント
大腿四頭筋にトリガーポイントができる場合があります。関連痛は膝関節や股関節、臀部に痛みがあります。この場合、痛みはお尻にあるが施術する部位は太もものトリガーポイントを施術する必要があります。この場合は痛みのある部位をほぐしても効果はありません。的確にトリガーポイントへの施術が必要です。
大腿部の神経痛
大腿部を支配するのは大腿神経です。大腿神経の圧迫やスライドが制限されると症状が現れます。ぶつけたり、伸ばされた覚えがなく、筋肉も硬くないのに大腿部前面に嫌な痛みやしびれがあるなら神経痛を疑います。感覚麻痺や大腿部の筋肉に力が入らない場合は医師の診断を受けることをお勧めします。
大腿部の痛み(後面)
次に大腿部後ろ面の痛みついても、みていきます。
ハムストリングスの肉離れ
大腿部後面にある大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋をまとめてハムストリングスと呼び、この筋肉の断裂を指します。大腿前面の筋肉とのアンバランスや強くストレッチがかかったりした時に断裂しやすいです。走っている最中に突然強い痛みを感じ走行不可能になります。
ハムストリングスのスパズム(筋痙攣)
ハムストリングスに強い伸長が加わった場合に反射が起き筋肉は断裂しないように収縮します(伸張反射)この際に筋が収縮しますが、この収縮が筋の一部に残存ずる状態です。肉離れと同じような発生機序で起き、痛みもあるため肉離れと誤解されることが多いです。
ストレッチをしてみて徐々に痛みが減るようであればスパズム、痛みが強くなれば肉離れの可能性が高いです。
坐骨裂離骨折
ハムストリングスに強い収縮やストレッチがかかった場合に骨の付着部の坐骨結節部がはがれることがあります。おしりに強い痛みがある場合この可能性を疑います。
坐骨神経痛
坐骨神経は大腿部の後面を通ります。大腿部後面に痛み、しびれや違和感、力が入らない、感覚がない等の症状がある場合坐骨神経痛を疑います。坐骨神経上に痛みを出すトリガーポイントの可能性もあります。
当院の大腿部の施術
大腿部前面
まず最初にやることは、ケガをしたのかそれとも筋肉の緊張による痛みか、それとも神経痛なのかを鑑別することです。
大腿四頭筋の外傷
大腿四頭筋の外傷であれば、ケガの状況から筋肉や腱損傷を疑います。部位を特定し電気治療や手技治療を行います。必要に応じて固定することも必要です。
大腿四頭筋MPS
筋肉の緊張が原因であるMPS(筋筋膜疼痛症候群)であればトリガーポイントなのかスパズム(筋痙攣)なのかを見極め手技を行います。筋肉につながる神経的なエラーを正常化することで異常な痙攣は収まり元の緊張状態に戻すための施術を行います。回復までに時間はかかる事もありますが、徐々に回復していくことがほとんどです。
大腿四頭筋神経痛
大腿四頭筋の神経痛であれば、大腿部前面の神経(大腿神経)ですから神経ストレッチや神経の周囲のリリースを行い神経の開放を行います。
大腿部後面
まず最初にやることは、ケガをしたのかそれとも筋肉の緊張による痛みか、それとも神経痛なのかを鑑別することです。ケガであればケガをした状況からどの部位をそう損傷したのかを考え電気治療や手技治療を行います。必要に応じて固定することも必要です。
筋肉が原因のものMPS(筋筋膜疼痛症候群)であればトリガーポイントなのかスパズム(筋痙攣)なのかを見極め手技を行います。
神経痛であれば、大腿部の神経は坐骨神経ですから神経ストレッチや神経の周囲のリリースを行い神経の開放を行います。
全てが保険治療内の施術ではありませんが、このように原因を見極めて適切な施術を行います。お気軽にご相談ください。