【症例】陸上競技中に足の親指と人差し指の間が痛くなり、走れなくなった女子中学生
陸上競技中に足の親指と人差し指の間が痛くなり、走れなくなった女子中学生


陸上競技中に足の親指と人差し指の間が痛くなり、走れなくなった症例
陸上競技をしている選手で、走ると足の親指と人差し指の間に痛みが出て、走れない状態になりました。
関節を動かしたり、ストレッチをしたりしても痛みは出なかったため、一般的な捻挫とは少し違う印象でした。
最初は、親指と人差し指の間にある骨間筋や、その周囲の神経・軟部組織への負担を考えて施術を行いました。
施術後は少し痛みが軽減しましたが、まだ走ると痛みが残っていました。
さらに細かく足を確認すると、軽い外反母趾があり、親指と人差し指がほぼ完全に密着していました。
また、人差し指を単独で曲げたり伸ばす動きもうまくできず、単純な筋力低下だけでなく、足趾の位置関係や動かしにくさも関係している可能性を考えました。
一度、人差し指を屈曲方向に誘導するテーピングをして走ってもらいましたが、大きな変化はありませんでした。
その後、痛みは足の甲側にも移り、軽い圧痛もみられました。
そこで、痛い場所だけを見るのではなく、親指の位置や回旋、前足部全体の使い方を再評価しました。
親指が人差し指側に寄って強く密着していたため、テーピングで親指と人差し指の間を少し開き、さらに親指の爪が内側を向くように軽く回旋を加えて誘導しました。
この状態で走ってもらうと、走行時の痛みは出ませんでした。
その後も症状は落ち着き、県大会では念のため同じテーピングをして出場しました。
現在はテーピングをしなくても痛みなく走れています。
今回考えられたこと
今回の症状について、外反母趾そのものが直接の原因だったと断定することはできません。
ただし、
親指と人差し指が強く密着していたこと
親指に回旋がみられたこと
人差し指をうまく動かせなかったこと
親指の位置と回旋を調整した直後に走行痛が消失したこと
などから、足趾の位置関係によって、前足部の荷重や親指・人差し指周囲の筋肉、腱、神経などにかかるストレスが変化していた可能性があります。
また、親指の位置を調整することで母趾側に力を伝えやすくなり、第2趾側へ集中していた負担が変化した可能性も考えられます。
足の甲の痛みでは骨の障害も考える必要があります
陸上競技などで、
走ると足の甲が痛い
中足骨周辺に圧痛がある
つま先立ちやジャンプで痛い
という場合には、筋肉や神経だけでなく、疲労骨折などの骨の障害も考える必要があります。
特に第2中足骨周辺では、疲労骨折のほかに、Freiberg病(フライバーグ病・第2ケーラー病)も鑑別に入ります。
Freiberg病では、第2中足骨頭から第2MTP関節の足背側に圧痛がみられ、走る、蹴り出す、つま先立ちをするなどの動作で痛みが出ることがあります。
進行すると腫れや関節可動域の制限がみられることもあります。
ただし、初期には圧痛がそれほど強くない場合もあるため、圧痛が弱いだけで骨の障害を完全に否定することはできません。
今回のケースでは、圧痛は軽度で、母趾の位置をテーピングで調整するとその場で走行痛が消失し、その後はテーピングなしでも症状が改善しました。
そのため経過としては、Freiberg病や疲労骨折の典型像とはやや異なりました。
それでも、痛みが長引く場合や、圧痛が強くなる場合、運動を休んでも繰り返し痛む場合には、整形外科で画像検査を受けることも重要です。
この症例から考えられること
足の痛みでは、痛みの出ている場所だけに原因があるとは限りません。
今回のように、足趾の位置や回旋、指同士の密着、実際に走ったときの荷重のかかり方まで確認することで、改善のきっかけが見つかることがあります。
一方で、スポーツ選手の足部痛では骨の障害が隠れていることもあるため、筋肉・関節・神経だけで判断しないことも大切です。








