【症例】院長体験談 25年の苦悩から解放、私が腰痛を克服した方法
「もしかしたら、あなたも私と同じように腰痛で苦しんでいるかもしれません。」
志木駅・まきの接骨院の院長、牧野淳一です。実は、私自身も長年の腰痛に悩まされてきました。初めて腰痛を感じたのは20歳頃。そこから約25年間、様々な腰痛対策を試し、学び、実践する日々でした。もしあなたが今、腰の痛みでつらい思いをしているなら、私の経験がきっとあなたの腰痛克服のヒントになるはずです。
腰痛に支配された不安な毎日
腰痛に悩まされていた頃の私は、常に腰の痛みが頭から離れませんでした。「この動きは腰に悪くないか?」「またぎっくり腰になるかも?」と、何をするにも不安がつきまとい、心から楽しむことができませんでした。
例えば、腰痛体操をする時でさえ、「この運動で悪化したらどうしよう…」と不安になり、回数を減らしたり、やめてしまったり。日常生活では、「先日この靴を履いた時に腰がピキッとしたから、もう履けないな…」と考えたりしました。家族との遊園地の計画も、「たくさん歩くし、待ち時間は立っているし…また痛くなったら嫌だな」と、憂鬱な気持ちになってしまうのです。
「この腰痛は一生治らないんじゃないか…」
効果があると聞いた腰痛改善の方法を試しても、なかなか効果を実感できず、落ち込むこともしばしば。「歳を取ったらもっと動けなりそうだな…」「もしかしたら寝たきりや車椅子生活になるかもしれない…」と、未来を悲観的に考えることもありました。
突然の激痛 – 魔女の一撃
実際に、腰痛は本当に治りにくく、痛みと不安、そして日常生活での不便が多い症状です。腰痛持ちになってからの私は、常に腰に鈍い痛みがあり、年に一度はぎっくり腰(急性腰痛)に襲われていました。
ぎっくり腰になると、まるで魔女の一撃を受けたかのように、一歩も動けないほどの激痛に襲われます(西洋ではこのような言い方をするそうです)経験された方ならお分かりいただけると思いますが、文字通り身動きが取れない状態になるのです。
私の腰痛ストーリー – スノーボードでのアクシデント
私の腰痛の始まりは、20歳頃の学生時代に遡ります。当時はスノーボードブームで、私も友人と毎シーズンゲレンデに通っていました。ある日、ゲレンデのギャップで横回転の技に挑戦した際、バランスを崩し背中から強く雪面に叩きつけられました。
痛みはあったものの、なんとか立ち上がりコースを下まで降りたのですが、そこで完全に動けなくなってしまったのです。すぐに腰を雪で冷やしましたが、痛みはなかなか引きません。友人に支えられながら診療所へ向かいましたが、待合室の椅子に座ることすらできません。壁に必死につかまりながら順番を待ちました。
レントゲン検査の結果は、幸いにも骨には異常なし。「打撲でしょう。もしできれば明日もスノーボードできますよ」と医師に言われましたが、あの激痛を考えれば到底無理な話です。シップと痛み止めをもらい、ホテルへ帰りました。
痛み止めを飲んでも、横になっても、仰向けもうつ伏せも、どの体勢でも痛い。当時の私はスポーツクラブのトレーナーでしたが、腰痛に関する知識は今思えばほとんどありませんでした。
痛みに耐えながらなんとか夕食を済ませ、温泉は悪化すると思い諦めました。夜は友人に誘われトランプをすることになったのですが、うつ伏せで枕を胸に挟む体勢がいくらか楽だったため、その姿勢で参加しました。しかし、その無理な体勢が祟ったのか、夜中に腰が反った状態で固まってしまい、翌朝は激痛で目が覚めました。
2日目も激しい腰の痛みに襲われ、朝食に行くことすらできません。帰りの車では、後部座席に押し込まれるような形で座ることになり、カーブや段差の度に激痛が走りました。友人には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
慢性的な腰痛との闘い – 試行錯誤の日々
スポーツクラブのインストラクターとして復帰後も、腰の鈍痛は常にあり、時折ぎっくり腰を繰り返す日々。スタジオレッスンでバーベルを持ち上げる動作は特に辛く、騙し騙しレッスンをこなす毎日でした。
「このままではダメだ。根本的な原因を突き止めなければ。」
当時の私は、トレーニングの専門家として「腹筋を鍛えれば腰痛は治る」と信じ、腹筋運動に励みました。しかし、一向に改善は見られません。次に試したのはストレッチ。腰やハムストリングス、お尻の筋肉を念入りに伸ばしましたが、一時的に楽になるだけで、根本的な解決にはなりませんでした。
トレーナーとしての知識だけでは限界を感じ、整形外科を受診しました。レントゲンで「椎間板には問題ないですが、骨棘ができていますね」と診断されました。骨棘とは、骨が変形して尖ってしまう状態のこと。当時の私は、この骨棘が長年の腰痛の原因だと考え、「骨の変形が原因なら、もう一生治らないかもしれない…」と絶望的な気持ちになりました。医師に勧められた腰痛ベルトを装着することで、一時的に安心感を得ましたが、根本的な解決にはなりませんでした。
暗中模索 – 腰痛ベルトと様々な療法
腰痛ベルトは、ひどい痛みの時には頼りになりましたが、蒸れることや背中やお尻の痛みも気になる点でした。そして何故か腰痛ベルトをしているのにも関わらず激痛が襲ってくることもありました。中殿筋が効果的と聞けば骨盤ベルトを試したり、様々な種類の腰痛ベルトを試しましたが、結局腰痛は改善しません。
運動後には特に痛みが強くなり、週に2回担当していたバーベルを使ったレッスン後は、しばらく腰痛が悪化する状態が続きました。
そんな時、上司であった佐々木秀男トレーナー(現在はプロアスリートを指導するトレーナー)が鍼灸の専門学校に通い始めたことをきっかけに、私も治療家になって「自分の腰痛を自分で治してみよう」と考えるようになりました。更に自分の腰痛が治せれば、私の様に腰痛で悩む方の手助けができるかもしれない!と思ったのです。多くのトレーナーは筋肉の名前やトレーニング方法は知っていても、解剖学や生理学、運動学の知識は国家資格を持つ専門家には及びません。私は知識と技術を学ぶために専門学校に通うことを決めました。
柔道整復師への道 – 知識と技術を求めて
そこから私は、夜間の専門学校で柔道整復師の資格取得を目指し、昼間はトレーナーとして働く生活を3年間続けました。
資格取得後、評判の先生の元で修行することを決意。そこで東洋医学に基づいた指圧やカラーテープ療法などを学びましたが、自身の腰痛は依然として改善しませんでした。
その後、友人の接骨院で仙腸関節を緩める手技や鍼シール療法を学びましたが、これも一時的な効果はあっても、根本的な解決には至りませんでした。
そして、数年後に志木駅で「まきの接骨院」を開業。しかし、長年の腰痛はまだ私の中にありました。
転機 – トリガーポイントとの出会い
さらに技術を磨こうと、練馬の治療院の先生が主催する技術セミナーに参加。そこで初めてMPS(筋筋膜性疼痛症候群)やトリガーポイントという概念、そしてそれらを解除するテクニックを学びました。
トリガーポイントとは、筋肉の中にできる硬いしこりのようなもので、その部分を押すと離れた場所に痛みを感じることがあります。このセミナーで、評価・介入・再評価を繰り返す施術の流れを学び、それが現在の私の施術の基礎となっています。
トリガーポイントや筋膜リリースに関する知識を深め、テニスボールを使ったセルフケアを取り入れたことで、私の腰痛は徐々に楽になっていきました。ぎっくり腰を起こすことはほとんどなくなりましたが、まだ鈍痛が残る日は続きました。
さらなる探求 – 骨盤と腰痛、そしてストレス
腰痛専門の世界的にも有名な整体師のセミナーにも参加し、骨盤と腰痛の関係について学びましたが、残念ながら自身の腰痛は改善しませんでした。しかし、身体の調整法は大変勉強になり、現在の施術にも活かされています。
そんな中、専門書を扱う書店で偶然見つけたのが「腰痛とストレス」に関する本でした。最初は気に留めなかったのですが、後日インターネットで調べているうちに、北陸の医師のブログでその本が紹介されているのを見つけました。そのブログには、痛みのメカニズムやトリガーポイント、そして誤った痛みに関する情報が科学的な根拠と共に詳しく解説されており、衝撃を受けました。
衝撃の真実 – 痛みと脳、そして誤った知識
ブログで紹介されていた本(痛みについての本や脳科学やストレスと腰痛の書籍等)をいくつか取り寄せ、読み進めるうちにストレスや感情が痛みを引き起こすこと、そして誤った情報を信じることが痛みを長引かせる原因になることを知りました。痛みは記憶されるという考え方や、神経細胞の可塑化等これまでオカルトのように感じていたことが、実は科学的な根拠に基づいているという事実に驚きました。
ある本には、ストレスと腰痛を中心に、正しい医療の知識が書かれており、私が長年原因だと考えていた骨棘は、実際には腰痛とは関係がないことも書かれていました。長年の疑問が一気に解決し、誤った知識や思い込みが腰痛を治すことを邪魔していたのだと痛感しました。
慢性的な腰痛に悩む方の多くは、私と同じように腰に関する知識不足や誤った情報を信じているせいで、症状が改善しないのではないかと感じました。
腰痛からの解放 – 新たな視点
痛みのメカニズムに関する知識が増えるにつれて、私の腰痛は徐々に軽減していきました。脳、末梢神経、不安、感情、筋肉、関節、認知行動療法、骨盤、MPS、インナーマッスル、トリガーポイント、姿勢など、様々な要素を総合的に考えるようになった結果、気づけば長年の腰痛はほとんど消えていたのです。
腰痛が消えた日のことは今でも鮮明に覚えています。朝起きた時からいつもの腰の嫌な感じがなく、スムーズに起き上がることができました。その日は一日中、一度も腰の痛みを感じることなく終えることができたのです。それからは、腰に痛みや違和感を覚える日はどんどん減り、今ではほとんど腰痛を感じることはありません。たまに無理な体勢が続くと痛みが出ることもありますが、放っておけば自然に治っています。
私はついに、長年の腰痛を克服したのです。腰の痛みのない生活は、本当に最高です。
かつては、腰に良い姿勢や体操、腰に悪いことを避け、常に腰のことを考えて行動していましたが、今ではそのようなことを意識する必要もなくなりました。
スノーボードで怪我をしてから25年以上かかりましたが、正しい知識と適切な施術を行えば、腰痛は必ず克服できると確信しました。もちろん、私一人が治ったからといって全ての方が同じように改善するとは言えませんが、私の経験が少しでもあなたの腰痛を軽くするお役に立てれば幸いです。
腰痛克服の鍵 – 知識、考え方、そして適切なケア
この他にも、私が腰痛克服のために実践したことはたくさんありますが、慢性腰痛に重要なのは日々のストレスや感情を良い状態に保ち、腰痛に関する正しい知識を身につけ、適切な柔軟性や筋肉のトレーニング(アウター・インナーマッスル)を鍛え、姿勢、骨盤のケアを行うことです。
あなたが腰痛を克服し、人生を思い通りに楽しめる日が来ることを心から願っています。