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【院長体験談】25年間、腰痛に悩んだ私が「腰だけを見る」ことをやめた理由
「この腰痛は、一生治らないのではないか」
私は20歳頃から約25年間、腰痛に悩んできました。
ぎっくり腰を繰り返し、腹筋、ストレッチ、腰痛ベルト、さまざまな施術を試してきました。
それでも、毎日のように感じていた腰の痛みや重さ、鈍い違和感がなくなることはありませんでした。
今では、腰痛をほとんど気にすることなく生活しています。
ここまで来るまでに、私は「腰痛の原因」を探し続けました。
そして最後に気づいたのは、腰痛を腰だけの問題として考えていたこと自体が、私の大きな思い込みだったということでした。
これは、私が25年以上の腰痛を通して経験し、学んできたことです。

20歳、スノーボードで腰を強く打った
私が初めて強い腰痛を経験したのは、20歳頃の学生時代でした。
当時はスノーボードがブームで、友人と毎シーズンのようにゲレンデへ通っていました。
ある日、ゲレンデのギャップで横回転の技に挑戦したところ、バランスを崩し、背中から強く雪面に叩きつけられました。
なんとか立ち上がってコースを下りましたが、そこで完全に動けなくなりました。
腰を雪で冷やしても痛みは引かず、友人に支えてもらいながら診療所へ。
待合室の椅子にも座れず、壁につかまりながら順番を待ちました。
レントゲンでは、幸い骨に異常はありませんでした。
「打撲でしょう」そう言われ、シップと痛み止めをもらってホテルへ戻りました。
今振り返れば、このときは強く打ちつけたことによる腰部の筋肉の打撲があり、炎症や腫れによって動かしたときに痛みが出ていたのではないかと考えています。
その後も、衝撃を受けた筋肉の緊張が続き、痛みや違和感が残っていた可能性があります。
もちろん当時の私は、そんなことを知りませんでした。
痛みが落ち着いても、腰痛は残った
強い痛みが落ち着いた後も、腰の鈍い痛みは残りました。
スポーツクラブのトレーナーとして仕事に戻ってからも腰痛は続き、年に何度か、ぎっくり腰のような強い痛みを繰り返すようになりました。
バーベルを持ち上げる動作もつらく、痛みをごまかしながら仕事をしていました。
「このままではダメだ」
「腰痛の原因を見つけなければ」
そう思い、いろいろな方法を試しました。
腹筋、ストレッチ、腰痛ベルト……それでも治らない
当時はトレーナーだったので、「腹筋を鍛えれば腰痛は改善する」と考えていました。
一生懸命腹筋をしました。
腰やハムストリングス、お尻のストレッチもしました。
一時的に楽になることはあっても、また痛くなる。
整形外科にも行きました。
レントゲンを撮ると、「椎間板には問題ありませんが、骨棘がありますね」と言われました。
骨棘とは、骨の縁などにできる突出した部分です。
当時の私は、「骨が変形しているから腰が痛いんだ」と考えました。
「この骨の変形があるなら、一生腰痛は治らないのではないか」
そんな不安もありました。
そして、医師から勧められた腰痛ベルトを使うようになりました。
「腰を守るため」に使っていた腰痛ベルト
腰痛ベルトをすると腰が固定されるため、安心感がありました。
痛みが強い時期には、頼りになることもありました。
しかし私は、痛みが比較的落ち着いた後も長期間使い続けていました。
今振り返ると、ここにも当時の私の思い込みがありました。
骨折など、組織を保護するために固定が必要なケガはあります。
一方、私のように打撲後の筋肉の緊張や筋筋膜性疼痛症候群(MPS)のような状態が痛みに関係している場合、急性期を過ぎても固定を続ければよいとは限りません。
必要以上に動きを制限することが、かえって体を動かしにくくしたり、不安を強めたりすることもあります。
当時の私は、その違いを知りませんでした。
「腰が痛いから、腰を守らなければいけない」
そう考え、急性期を過ぎても腰痛ベルトを使い続けていました。
今思えば、腰を守ろうとすること自体が、腰への不安や緊張を強めていた可能性もあります。
「自分で自分の腰痛を治してみよう」
いろいろな方法を試しても腰痛がなくならない。
そこで私は、「自分で自分の腰痛を治してみよう」と思うようになりました。
当時はスポーツクラブのトレーナー。
筋肉やトレーニングについては勉強していましたが、それだけでは自分の腰痛を説明できませんでした。ちょうど、私のトレーニングの師匠である佐々木秀男氏(プロスポーツ選手のトレーナー)も鍼灸師を目指して学校に通っていました。
「自分の腰痛を治すことができれば、同じように腰痛で悩んでいる人の役にも立てるかもしれない」
そう考え、治療家になることを決めました。
昼間はトレーナーとして働き、夜は専門学校へ通い、さらに夜中まで勉強する生活を3年間続け、柔道整復師の資格を取得しました。
治療家になっても、腰痛はなくならなかった
資格を取得してからも勉強を続けました。
東洋医学に基づいた指圧やさまざまな手技を学び、仙腸関節へのアプローチや鍼シール療法なども勉強しました。
さらに技術を学ぶため、さまざまなセミナーにも参加しました。
その中で、MPS(筋筋膜性疼痛症候群)やトリガーポイントという考え方にも出会いました。
筋肉の状態を確認し、施術を行い、その後どう変化したのかを確認する。
評価 → 施術 → 再評価
この考え方は、現在の私の施術にも大きく影響しています。
トリガーポイントや筋膜について学び、テニスボールを使ったセルフケアなども取り入れました。
ぎっくり腰を起こすことはかなり減りました。
それでも、腰に残る鈍い痛みは完全にはなくなりませんでした。
「筋肉や関節をこれだけ勉強しているのに、なぜ治らないんだろう?」
ここから、私の腰痛に対する考え方がさらに変わっていきます。
「腰が悪いから痛い」とは限らない
その後も腰痛について勉強を続けました。
骨盤や関節について学び、腰痛専門の先生のセミナーにも参加しました。
もちろん、そこで学んだことは現在の施術にも活かされています。
それでも、自分の腰痛はなくなりませんでした。
そこで私は、筋肉や関節だけではなく、「痛みそのもの」について勉強するようになりました。
神経。
脳。
ストレス。
感情。
痛みに対する不安や恐怖。
過去の痛みの経験。
運動不足。
そして、腰痛について自分が持っている知識や思い込み。
こうしたものも、痛みの感じ方に関係することがあります。
神経の「可塑性」を知った
特に興味を持ったのが、神経の「可塑性」という考えでした。
神経は、経験によって働き方が変化します。
痛みが長く続くと、痛みに関係する神経の働きが変化し、痛みを感じやすい状態が続くことがあります。
例えば、スポーツの練習でも、何度も繰り返していると、その動作がどんどん上手になります。
痛みに関係する神経の働きにも、同じように「繰り返しによって変化する」という側面があります。
つまり、
「痛みが長く続いている=今も腰の組織が壊れ続けている」
とは限りません。
もちろん、実際に筋肉や関節、椎間板などに問題がある腰痛もあります。
しかし、構造的な問題と、実際に感じている痛みは、必ずしも同じものではありません。
このことを知ったとき、私は自分の25年間の腰痛を初めて違う角度から見ることができました。
私自身が持っていた「腰痛の思い込み」
それまでの私は、
「骨棘があるから腰痛は治らない」
「腰を曲げたら悪い」
「痛い動作は避けなければならない」
「またぎっくり腰になるかもしれない」
「痛みが出たら、さらに悪くなったのかもしれない」
そんな考えを持っていました。
しかし勉強を続ける中で、一つひとつ見直すようになりました。
「本当にそうなのか?」
「この痛みは、本当に組織が壊れているサインなのか?」
「今の自分に必要なのは、さらに腰を守ることなのか。それとも、少しずつ動かしていくことなのか?」
これは「気持ちの持ち方を変えれば腰痛が治る」という単純な話ではありません。
身体の状態を確認することはもちろん必要です。
そのうえで、神経や脳、運動、生活、心理的・社会的な要素なども含めて腰痛を考える。
私自身は、その視点を持てるようになったことが大きかったのだと思います。
そして、腰痛が気にならなくなった
ある朝、いつもの腰の嫌な感じがありませんでした。
スッと起き上がることができました。
「あれ?今日は腰が痛くないな」
その日は一日過ごしても、腰の痛みをほとんど感じませんでした。
それから、腰の痛みや重さ、鈍い違和感を感じる日は少しずつ減っていきました。
今でも無理な姿勢が続いたときなどに腰が痛くなることはあります。
でも以前のように、「また腰を悪くした」 「このままひどくなるかもしれない」
と過度に不安になることはありません。
時間が経てば落ち着くことも、自分でどう対処すればよいかも分かっています。
気がつけば、長年私を苦しめていた腰痛を、ほとんど気にせず生活できるようになっていました。
25年間の腰痛から、私が学んだこと
私の場合、腰痛を変えたのは一つの施術や一つの運動ではありません。
筋肉。
関節。
骨盤。
ストレッチ。
筋力トレーニング。
トリガーポイント。
筋膜。
神経。
脳。
そして、痛みに対する不安や恐怖、知識や思い込み。
25年以上かけて、少しずつ腰痛を見る視点が増えていきました。
だから私は現在、腰痛を一つの原因だけで決めつけないようにしています。
「腰が痛いから腰だけを見る」のではなく、
「なぜ痛みが続いているのか」
「身体はどのような状態なのか」
「どのように動いているのか」
「必要な筋力や柔軟性はあるのか」
「痛みに対してどのような不安や思い込みを持っているのか」
さまざまな角度から考えることが大切だと思っています。
あなたの腰痛も、一度違う角度から考えてみませんか?
もし今、
「何をしても腰痛が良くならない」
「何年も腰痛が続いている」
「ぎっくり腰を繰り返している」
「骨の変形があるから治らないと思っている」
「痛いから運動するのが怖い」
という状態なら、一度ご自身の腰痛を違う角度から見てみることも一つの方法です。
もちろん、私の経験がそのまま全ての方に当てはまるわけではありません。
強いしびれや麻痺、発熱、外傷後の強い痛みなど、医療機関での確認が必要な場合もあります。
だからこそ、最初から「原因はこれ」と決めつけるのではなく、現在の身体の状態を確認し、その人に必要な方法を考えることが大切だと私は考えています。
まきの接骨院では、腰だけを見て終わりにはしません
当院では、腰痛だからといって最初から施術方法を決めることはありません。
まず現在の症状や身体の状態を確認します。
筋肉、関節、骨盤、柔軟性、筋力、身体の使い方などを確認し、その方の状態に合わせて必要な施術を考えます。
また、腰痛といっても、急なケガによる痛みなのか、長く続いている慢性的な痛みなのかによって、対応は変わります。
急なぎっくり腰や捻挫、打撲など、健康保険の対象となるケガであれば、健康保険施術を行います。
保険施術に加えて、筋肉や関節などへの施術が必要な場合には、「健康保険施術+症状改善施術」という選択肢もあります。
一方、何カ月も続いている慢性的な腰痛など、健康保険の対象にならない症状については、症状改善コースで身体の状態を確認しながら施術を行います。
腰痛の状態に応じて、施術コースや施術内容が変わります。
筋力が低下していて運動が難しい場合には、EMSをトレーニングの補助として活用することもあります。
つまり、「腰痛だからこのコース」という決め方ではありません。
現在の症状や身体の状態を確認したうえで、必要な方法を一緒に考えていきます。
私が25年間腰痛に悩んだからこそ、
「痛みをなくすために、何をすればいいのか分からない」
という方の気持ちはよく分かります。
まずは、今の腰痛について話してください。
一緒に身体の状態を確認し、何ができるのかを考えていきましょう。
ご予約はこちら
「もう諦めていた…」長年苦しんだ頭痛と肩の痛みが、筋膜リリースで劇的な変化!
志木駅すぐのまきの接骨院に、長年悩まされていた肩の痛みと動きの悪さを抱えるバレーボール愛好家の患者様がご来院されました。チームメイトの方が当院の筋膜リリースを受けて調子が良くなったというお話を聞き、ご紹介いただいたとのことでした。
肩の動きは、単に肩関節だけの問題ではありません。肩甲骨の動きから始まり、上腕、前腕といった腕全体、さらには首、肩の僧帽筋、鎖骨、体幹を支える腰や背筋など、上半身の広範囲の筋肉が複雑に連携し合っています。興味深いことに、筋電図を用いた実験では、肩を動かす際に、肩の筋肉が活動するよりも前に、反対側の体幹にまず力が入り、体の軸を安定させてから肩に力が伝わるというメカニズムが明らかになっています。この事実からも、肩の動きの改善には、肩関節だけでなく、首や背中を含めた全身のバランスを考慮した施術が不可欠であることがわかります。
今回の患者様の主な訴えは肩の動きの改善でしたが、長年の痛みを丁寧に問診する中で、ほぼ毎日悩まされているという頑固な頭痛の存在も明らかになりました。そこで当院では、肩関節の動きを改善するだけでなく、頭痛の根本的な原因にもアプローチするため、肩に関連する首、肩甲骨、背部、鎖骨周りの筋肉や筋膜に対しても丁寧に施術を行いました。
2回目の来院で驚きの報告!「長年の頭痛が2週間も消えていた!」
2回目のご来院時、患者様の表情は明らかに明るく、驚きと喜びの声で施術の効果を報告してくださいました。なんと、ほぼ毎日悩まされていた頭痛が、施術後から2週間もの間、一度も起こらなかったというのです。もちろん、肩関節周りの動きも施術前と比較して明らかに軽くなり、可動域も広がっていました。長年の悩みの種だった肩の痛みだけでなく、まさか頭痛まで改善するとは予想もしていなかったそうで、患者様も大変感動されていました。肩関節の痛みの改善に加え、長年の頭痛の症状改善の確かな手応えを感じていただけたことで、今後の治療への期待感も高まっていました。
頑固な頭痛に「筋膜リリース」が有効な理由
首や肩周りの筋肉が慢性的に緊張することで起こる筋緊張性頭痛は、多くの方が悩まされている症状の一つです。このような頭痛の場合、首や肩の筋肉だけでなく、それらを覆っている筋膜の癒着が痛みの原因となっていることが少なくありません。筋膜とは、全身の筋肉や臓器を包み込む薄い膜のことで、この筋膜が癒着すると、筋肉の動きが制限され、血行やリンパの流れが悪くなり、痛みや不快感を引き起こします。
筋膜リリースは、この癒着した筋膜を特殊な器具や手技によって剥がし、筋肉の柔軟性を取り戻し、血行やリンパの循環を改善する施術法です。今回の症例のように、肩周りの筋膜の癒着を丁寧に剥がすことで、肩の動きが改善するだけでなく、首や肩の筋肉の緊張が緩和され、その結果、長年の頭痛が改善したり、手のしびれが解消されたりするケースは決して珍しくありません。
ただし、この患者様の場合、2週間で頭痛が戻ってきていることから考えると、より根本的な改善のためには、定期的な筋膜リリースに加え、ご自身で癒着部位をマッサージしたり、ストレッチを行ったりすることが重要だと考えられます。
筋膜リリースを行うと、癒着している部位は皮膚の抵抗が強いため、施術者が触診で明確に把握することができます。また、癒着が強い部分は施術後に皮膚が赤くなることがあり、患者様ご自身でもどこが悪いのかを視覚的に確認することができます。これらの癒着部位に対して、ご自身でマッサージやストレッチなどのケアを継続的に行うことで、頭痛の頻度や程度を軽減できる可能性があります。
もし、初診時に頭痛の改善を主な目的としておっしゃっていただければ、上半身への施術に加えて、頭皮への筋膜リリースも積極的に行います。頭皮が硬くなっている方や、頭がむくんでいるような感覚がある方には、頭皮の筋膜リリースが特に有効です。頭皮を押して痛みを感じる方は、自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になっている可能性が高いと考えられます。頭皮の筋膜リリースを行うことで、睡眠の質の改善、原因不明の疲労感の軽減、視界がクリアになるような感覚を得られるといった効果も期待できます。
さらに、頭痛の原因としてトリガーポイントの存在も無視できません。トリガーポイントとは、筋肉の中にできるコリのような硬い部分で、その部位だけでなく、離れた場所に痛みやしびれを引き起こすことがあります。首や肩周りのトリガーポイントが、緊張型頭痛をはじめとする様々な頭痛の原因となることはよく知られています。特におでこや目の周り、耳の後ろなどに痛みを感じる頭痛をお持ちの方には、首の前側に位置する胸鎖乳突筋という筋肉のトリガーポイントへの施術が有効です。筋膜リリース、ストレッチ、そして丁寧な手技を組み合わせることで、これらのトリガーポイントを効果的に解消し、頭痛の改善を目指します。
まきの接骨院では、患者様一人ひとりの症状やお悩みを丁寧に伺い、根本原因にアプローチするオーダーメイドの施術を提供しています。長年の頭痛や肩こりでお悩みの方、ぜひ一度当院の筋膜リリースをお試しください。
かかとの痛み後に発症したもも裏の痛み

当院(志木駅 まきの接骨院))で経験した、興味深い小学生男子の症例を詳細にご紹介いたします。この患者さんは、以前よりかかとの痛みを主訴に来院されました。運動時、特に走る際や走った後に顕著な痛みがあり、患部を押すと強い痛みを訴えるという、典型的な成長期に多く見られる症状、いわゆるシーバー病(踵骨骨端炎)です。10歳前後の活発な男子に頻発するこの症状は、成長期の骨端軟骨への過度な牽引力が原因と考えられており、多くのお子様とそのご家族を悩ませています。
シーバー病の施術
当院では、シーバー病に対して、患部であるかかとと、その周囲の筋肉(特にふくらはぎ)への負担を軽減、炎症を抑制するための電気治療、そして手技療法を組み合わせた施術を適用しました。電気治療は、疼痛緩和と血流改善を促し、手技療法では、ふくらはぎやアキレス腱や足底筋膜の柔軟性を高め、かかとへの牽引力を軽減することを目指しました。数回の治療を経て、患者さんのかかとの痛みは徐々に軽減し、運動時の痛みも和らぎ、日常生活に支障がない程度まで回復されました。
かかとの痛み後に大腿後面に痛みが出た
しかし、かかとの痛みがほぼ消失した頃、今度は左のハムストリングス(大腿部後面の筋肉)に新たな痛みを訴え始めました。詳細な問診と触診を行った結果、ハムストリングスに明らかな筋スパズム(筋肉の異常な収縮)が認められました。筋スパズムは、筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)の一つの重要な症状であり、筋肉が持続的に収縮し、硬結(しこり)や圧痛点を形成する状態を指します。簡単に言えば、「太ももが攣った」状態が慢性的に続いているようなイメージです。
この患者さんの場合、左右のハムストリングスの筋緊張を比較すると、痛みを訴える左側の筋肉は明らかに硬く、触るとロープのように盛り上がっていました。本人も、「常に左の太ももの裏がつっぱるような感じがする」「運動後に特に痛みが強くなる」と訴えており、太ももの痙攣が日常生活にも影響を及ぼしかねないほどでした。歩行時にも、少し患部を庇うような動作が見られ、可動域の制限もありました。
MPSへの施術とストレッチ
筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)に対する施術は、長年の臨床経験を通じて私が専門としてきた分野の一つです。MPSの治療においては、単一の施術法に固執するのではなく、患者さんの状態を詳細に評価し、様々なテクニックを組み合わせることで、より効果的な改善を目指します。太ももが攣った場合、一般的な応急処置としては、仰向けに寝て膝を伸ばし、足をゆっくりと上に持ち上げて太もも裏を伸ばすSLR(Straight Leg Raise)というストレッチを行うことが多いでしょう。軽度の痙攣であれば、このストレッチで一時的に症状が緩和され、数日後には違和感も消えることがほとんどです。

しかし、今回のように強い筋スパズムが持続している場合は、単純なストレッチだけでは根本的な改善が難しいことが少なくありません。筋肉の深部に形成された硬結や、神経系の過敏な状態が関与している場合があるためです。そのため、当院では、このような難治性の筋スパズムに対して、以下に示すような多様な専門的テクニックを組み合わせた集学的アプローチを採用しています。
難治性筋スパズムに対する5つの専門的アプローチ
1.ベーシックなストレッチ(SLRおよびそのバリエーション)
まず、基本的なSLRに加え、股関節の屈曲角度や足関節の背屈角度を微調整しながら、様々な方向へのストレッチを行い、現在の筋肉の収縮度合い、柔軟性、そして圧痛点の位置と程度を詳細に評価します。これにより、特に強く収縮している部位や、可動域制限の要因となっている筋肉を特定します。
2.拮抗筋収縮を利用した弛緩(相反抑制)
大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)を意識的に等尺性収縮(筋肉の長さを変えずに力を入れる)させることで、神経生理学的な反射を利用し、拮抗筋であるハムストリングスを反射的に弛緩させるテクニックです。これにより、より安全かつ効果的にハムストリングスの緊張を緩和することができます。
3.自動弛緩テクニック(ポスト・アイソメトリック・リラクゼーション、PIR)
ハムストリングスに対し、術者の抵抗に対して軽い力で等尺性収縮を行っていただいた後、力を抜いてもらうことで、筋肉がより深く弛緩する現象を利用します。これを数回繰り返すことで、筋スパズムの緩和と可動域の改善を図ります。
4.ASTR: Augmented Soft Tissue Release)
癒着や制限が生じている筋膜や筋肉に対し、特殊な手技を用いて持続的な緊張や圧迫がある部位に伸張を加えて組織の柔軟性を取り戻すテクニックです。特に、触診で硬結が認められる部位や、ストレッチだけでは十分に伸長しない深部の筋肉に対して、ピンポイントにアプローチすることが可能です。
4.カウンターストレイン
患者さんに最も痛みが軽減する体勢をとっていただき、特定の圧痛点を触診しながら、その肢位を一定時間保持することで、神経系の異常な興奮を鎮め、筋肉の過緊張を緩和する非常に効果的な手技です。このテクニックは、患者さん自身で行うことは難しいですが、熟練した施術者によって行われることで、即時的な痛みの軽減と筋スパズムの緩和をもたらすことがあります。
この患者様に行った具体的な施術の流れ
- 詳細な評価と触診
まず、患者さんの既往歴、痛みの発症状況、日常生活での動作などを詳しく問診します。その後、ハムストリングスの触診を行い、筋緊張の程度、硬結の有無、圧痛点の位置と程度、そして股関節の可動域などを詳細に評価します。 - カウンターストレインによる神経系の安定化
触診で最も強い圧痛点が認められる部位に対し、カウンターストレインのポジショニングを行い、90秒程度その肢位を保持します。これにより、痛みを誘発している神経系の過活動を抑制し、筋肉の緊張を緩和します。 - 自動弛緩テクニック(PIR)の実施
患者さんに、術者の抵抗に対し、ハムストリングスを軽い力で5秒程度収縮していただき、その後、力を抜いてリラックスしていただきます。この収縮と弛緩を数回繰り返し、筋肉の深部からの弛緩を促します。 - 拮抗筋収縮を利用したストレッチ
患者さんに、大腿四頭筋を意識的に収縮させながら、可能な範囲でSLRを行っていただきます。こうすることでハムストリングスは弛緩します、この際、術者はハムストリングスの緊張の変化を注意深く観察し、より効果的なストレッチングをサポートします。 - 筋膜リリース+ASTR
硬結が強く認められる部位や、可動域制限の原因となっている筋肉に対し、指、肘などを 使い持続的な圧迫や筋線維に沿った伸張操作を加えることで、筋膜の癒着を剥がし、筋肉の柔軟性を取り戻します。 - 再評価とホームエクササイズの指導
施術後、再度ハムストリングスの状態と股関節の可動域を評価し、改善度合いを確認します。患者さんの状態に合わせた、自宅で行える簡単なストレッチや筋力トレーニングなどのホームエクササイズを指導し、再発予防と更なる機能改善を促します。
驚きの結果と患者さんの声
数回の丁寧な施術を重ねるうちに、その小学生男子のハムストリングスの筋スパズムは著しく改善しました。施術前には、立位体前屈で指先が全く床に届かなかったのが、数回の施術後には 手の指先が床に着くほど柔軟性が向上しました。また、以前は運動後に強く訴えていた太ももの痛みも消失し、筋肉の過度な緊張も緩和され、左右の太ももの太さもほぼ均等になりました。
後日、その子のお母様から、非常に嬉しいご報告をいただきました。「最近、息子が急に足が速くなったんです。学校の体育の授業や、地域のサッカーチームの練習でも、明らかに以前とは走るスピードが違うようで、チームメイトやコーチに『何か特別なトレーニングをしているのか?』と聞かれたんです。息子は特に何もしていないと答えたらしいのですが、もしかしたら、先生の治療のおかげかもしれませんね」とおっしゃっていました。
詳しくお話を伺うと、その小学生男子は、かかとの痛みが改善した後も、実は左のハムストリングスに慢性的な痛みや違和感を抱えていたとのことでした。しかし、それはを特に訴えることはなかったようです。ハムストリングスが慢性的に硬く緊張している状態は、走行時の足の接地時の衝撃を十分に吸収できず、微細な痛みを引き起こす可能性があります。また、股関節の可動域を制限し、足を後方に蹴り出す推進力を低下させるため、結果的に走るスピードの低下に繋がっていたと考えられます。
今回の当院の集学的アプローチによって、ハムストリングスの状態が根本的に改善されたことで、彼は本来持っていた潜在的な運動能力を最大限に発揮できるようになったのでしょう。これは、単にかかと痛という表面的な症状の改善にとどまらず、その奥に潜んでいた機能的な問題を解決できたことによる、予期せぬ嬉しい結果と言えます。
専門家としての見解と考察
- 柔道整復師として、長年、筋・筋膜性疼痛症候群をはじめとする運動器疾患の治療に携わってまいりました。特に、トリガーポイントや筋スパズムに対する多様な手技療法と運動療法を組み合わせたアプローチを得意としており、多くの患者様の機能改善と疼痛緩和に貢献してまいりました。本症例は、私の長年の臨床経験に基づいた専門的な知識と技術によって、的確な評価と効果的な治療が奏功した好例と言えます。
- この症例は、実際に当院で治療を行った患者さんのものであり、その経過と結果は客観的な事実に基づいています。患者さんのプライバシーに配慮し、個人が特定できる情報は伏せておりますが、治療のプロセスや効果について、誇張や虚偽は一切ございません。患者さん一人ひとりの症状に真摯に向き合い、科学的根拠に基づいた丁寧な施術を提供することを常に心がけております。
当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの治療プランをご提案し、早期の機能回復と痛みのない快適な生活の実現を全力でサポートいたします。お気軽にご相談ください。
【症例】手のしびれの方への施術(親指・人差し指・中指)❘志木駅まきの接骨院

先日、親指、人差し指、中指がしびれているという方が来院されました。この方は40代女性で肩こりがあるとのことでした。
結論から言えば、しびれの原因は神経、トリガーポイント、血管の圧迫が原因のケースが多いです。
この方は、肩こりがひどいためひとまず首と肩、腕の筋肉のマッサージをしてみました。
なぜなら、筋緊張をほぐすことによって血流の循環が改善し血液が指先まで流れてしびれが取れることがあります。つまり筋肉の硬さによる血管圧迫の改善を狙った施術です。
次に親指、人差し指、中指がしびれているとのことでしたので、正中神経と橈骨神経の硬さが原因のケースを考慮して、2つの神経をストレッチしました。
神経ストレッチはその名の通り神経を伸長させるテクニックです。神経ストレッチは神経に問題ない人にはなんてことないストレッチですが、神経の伸び(硬くなっている)が悪くなっている方には嫌な痛みというか鈍痛が感じられます。この方はそれほど痛みは感じていない様でした。
つまり神経には問題がない可能性が高いという事です。
この他にトリガーポイントからくる指先のしびれも考えられます。
この場合は鎖骨下のポイントに刺激を入れるのですが、このポイントは痛みが強いようでした(軽くほぐしても強い痛みがあります)
このように指先のしびれでもいくつか原因が考えられます。
私の診たてではこの方はトリガーポイントが原因なのですが確定ではないので、考えられる症状に全て手技を行います。
初回はここで施術は終了し、トリガーポイントのセルフケアを指導し終了しました。
このように施術と検査を繰り返すと、徐々にこれは関係ないだろうというものが分かってくる(消去法でしぼっていく)ので最終的にはここをほぐせばよいとかここをストレッチすればよいということが分かります。ここまでくればもう時間の問題です。
次回の症状を聞いてまた対応していきますが、トリガーポイントへの施術を繰り返すうちに問題は解決すると思います。
さらに完璧を目指すならそこにトリガーポイントができてしまった原因も考える必要があります。
身体の使い方や姿勢が原因だと思いますので、一緒にどんな姿勢なのかどうすると良いのかを考えて、できるだけ再発を予防することも重要です。
つまり順序としてはこのようになります
・痛みを出している部位を探し施術する
・その部位がなぜ痛みを出しているのかを考え、そこに対し施術する
・根本の原因を見つけたらその部位が良い状態でキープできる様に施術もしくはセルフケアを指導し定着させる
もしあなたが、身体の不調でお悩みならお気軽にご相談ください。
整体コースであれば、自費治療で行いますので、他の整形外科や整骨院に通院中でも問題ありません。







